新潮文庫の100冊:2009
夏目漱石:坊っちゃん
文庫本裏表紙より引用
松山中学在任当時の体験を背景とした初期の代表作。物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情怪行の青年"坊ちゃん"が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。近代小説に勧善懲悪の主題を復活させた快作である。
坊っちゃん【あらすじ】
この坊っちゃんの出だし、「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」は、川端康成の雪国の出だしと同じくらい有名です。
その坊っちゃんは、父親と死別後、親の残した遺産で東京の学校に入学します。
卒業後に四国の旧制中学校に数学の教師として赴任しました。
赴任した坊っちゃんは、校長には狸、教頭には赤シャツ、画学の教師は野だいこ、英語の教師はうらなり、数学の主任教師には山嵐と、勝手にあだなをつけます。
初めての宿直の夜には蒲団の中にイナゴを入れられるなどイタズラをされました。
坊っちゃんはイタズラをした生徒らの処分を訴えますが、赤シャツらは『子供のいたずら』ですからと、取り合いませんでした。
この際、山嵐だけは、処分に賛成しましたので、2人は仲良くなりました。
しばらくして坊っちゃんは、赤シャツがうらなりを左遷したことを知ります。
左遷の理由は、うらなりの婚約者へ、赤シャツが横恋慕をしたからだと、噂話を聞き、坊っちゃんは義憤にかられます。
しかも、赤シャツは、同様の義憤にかられた山嵐が辞職に追い込みます。
坊っちゃんと山嵐は、赤シャツの不祥事を暴くための監視を始め、ついに芸者遊び帰りの赤シャツとその腰巾着の野だいこを取り押さえます。
芸者遊びについて言い争いになり、坊っちゃんは赤シャツを殴ってしまいます。
直ぐに退職し東京に戻ります。街鉄(後に都電と呼ばれるようになる路面電車のこと)の技手となりました。
坊っちゃん【読書感想文】
子供の頃に読んだ坊っちゃんは、主人公の無鉄砲さにあこがれを感じました。
自分の信念を持って悪いことを悪いと言える強さ、また自分のしたことに責任を持ち、職を簡単に辞められることにも尊敬に近いものを持っていたかも知れません。
しかし、40台半ばになって坊っちゃんを30年ぶり以上で読み返してみると、子供の頃の読み方は実に浅かったのだということがわかりました。
この小説は若くて無鉄砲な少年の勇ましい冒険記ではありませんでした。
年を重ねると、『若気の至り』という言葉が、真の意味でわかります。
職場にいませんか?正論を振りかざして熱くなっている若者が?
坊っちゃんってそんな若者なんだなぁって思います。
職場の同僚の中で、年長者も同僚もお構いなく一番俺が偉いんだ的な考え方をする若者。。。
私なんかは、そんな姿を見ると、「フッ。若いな。。。がんばれ。」なんて生暖かい気持ちで見つめています。
たぶん坊っちゃんの同僚の先生方もそんな感じだったのでしょう。
今も昔もそんな若者がいたんですね。
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